店主成り立ち

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川久保修です。僕は小田原の隅っこココ国府津で和食の飲食店を経営しております。

 

若かりし頃の自分は、何も考えておらず、高校を卒業して親の言うまま調理師専門学校に行きました。

 

専門学校に通ってる時はなんの気苦労もなく、親のお金で天国のような人生を送っておりました。

 

朝は目覚めたときに学校に行き、学校を休むことも多々ありました。

 

そして、卒業。(卒業試験に合格していなかったので仮卒業でしたが…)

 

箱根の高級旅館に就職することができました。(なぜだか?)

 

「板前の世界は厳しい」とは聞いていましたが、まさに、この目で、目の当たりにしました。

 

まず労働時間。朝六時から夜の十一時までの間に休憩二時間。

 

仕事が終わった後も、お客様のオーダーがあれば出て行って料理を出しました。

 

(もちろん、そのころの自分には、お客様にお出しできる料理の技術はありませんでしたから、

 

先輩について行って洗い物をするぐらいしか出来ませんでしたが)

 

結局一日平均実働一五時間位。週一回の休みも、先輩の一言で、ちょくちょくなくなりました。

 

それで月の給料は手取りで8万円位でした。まさに修行でした。

 

 

怒鳴られる事は日常茶飯事。殴る蹴るも普通にありました。

 

ここを、あまり深く掘り下げるのは何かと問題が起きるといけないのでこの辺にしておきます。

 

なんにせよ、自分でお店を出すことだけを目標にまさに修行に励みました。

 

ちなみに、自分の他に北海道から出てきた同期の成沢君、二人で追い回しを三年続けました。

 

(新入社員が入っても、すぐ辞めてしまったり、逃げてしまったのです・・・)

 

そんなこんなで、東京や、いろいろな店を一六年修行。

 

やっとの思いでここ国府津で自分の店を出すことが出来ました。

 

自分の店を出せさえすれば、人生半分成功だとその時は思っていました。でも、実はそうでもなく。

 

修行時代は大変でしたが、自分の店を出してからの方がもっと大変な気がします。

 

しかし、自分の思うような料理・飲食店経営が、出来るのは、幸せな話で。

 

なにより

 

お客様の 「おいしかったよ」 の言葉で、今までの苦労がすべて報われ。

 

とても気持ちになれます。 正直に仕事をしてきて、本当に良かったです。

 

お客様に、このお店を続けさせて頂き、心から感謝しております。

 

 

 

    四季和膳もえり  店主 川久保  

(主な経歴:箱根桜庵/ホテルニューオータニ/鴨宮四季亭)